スタッフリレーエッセイ
No.7 海野 和子(うみの・かずこ)

野呂一さんからバトンを受け継ぎました、海野和子といいます。
今までリレーエッセイに登場した方たちはDプロの中でも特に活躍している方たちで、
次に自分が出てきていいものかと思ったのですが、僭越ながら書かせていただくことになりました。
さて、まずは野呂さんのことについて少しお話したいと思います。

ろう歴史学と聞けばイコール野呂さんと言っても過言ではないくらい、この研究において第一人者です。
元はといえば米内山さんからのご指名で始めたという研究だそうですが、
ご自身で各地の年配ろう者を訪ねて話を聞き研究を深めたりと、とても行動力がある方です。
そして行動力だけではなく仕事をテキパキとこなす実行力もあり、本当にすごいなぁといつも思っています。

大きな声では(手では?)言えないのですが、実は私は以前、ろう歴史学にはあまり興味がありませんでした。
しかし本格的に手話教師になってからその重要性に気づき勉強を始め、日々邁進中?といったところです。
私はDプロの会員としての歴史は長く12年になりますが、
“スタッフ”として活動するようになってから今年で4年目になります。
毎日が勉強で、スタッフの皆さんからいろいろ教えていただいています。

私にとってのDプロとは気兼ねなく話せる仲間がいて、ありのままの自分でいられる場であり、
またセミナーなどに参加することにより自分を向上させることが出来る、とても心地よい場所であります。
ですからそんな心地よい場所があるということを、もっとろう者に広めたいという願いもあるのです。

では次に、私が正式に手話教師として頑張っていこうと思ったきっかけについてお話したいと思います。
あれは忘れもしない1995年の12月に木村晴美さんが手話教授法について名古屋で講演をしてくださったときのこと。
それまで私が抱えていた漠然としていて言い表すことのできなかった悩みが、そこで一気に解消されたのです。

例えば、手話指導に関して行き詰っており、どうしたらよいのか思い悩んでいたのですが、
自分がコードスイッチすることなくろう者の手話そのものを指導すること、
またろう者と聴者における文化の違いなどを踏まえた上で指導することをなどが大切だと知り、
とても衝撃を受けたのと同時にストンと心の中に入ってきたのです。
またお互いを尊重しあっていくことが大切だということも教えていただきました。

あの日から何年もの月日が流れ、手話教師としていろいろな知識を蓄えてきましたが、
手話教授、ろう歴史学、ろう文化など、あらゆる分野での知識を増やしていきたいという野望?は今も持ち続けています。

さて、最後になりましたが、次にバトンをお渡しする方を紹介したいと思います。
私が初めて大石さんの名前を知ったのは確か4年ほど前のこと。
友達に誘われて「ろうものがたり」という映画を観たのですが、
大石さんと千々岩さんが作ったというその映画はろう者の視点から映画が作られており、
観ていてとても心地よかったのを覚えています。

そしてしばらくたったあの日、私の中の大石さん像を語る上で忘れられないことがありました。
大石さんは入門レベルの手話指導をしていて、私はその授業を見学させてもらっていたのですが、
入門レベルで手話がまだあまり分からない生徒さんに対し、話の流れで「鍵必要、鍵必要」
(その場の話ではそれがポイントというか、キーワード、というような意味合いで使ったのですが)というのです。
このような話は実際にその場にいないと面白さが伝わらないと思うのですが、
生徒さんは意味が分からずポカンとしていたのにも関わらず大石さんがあまりにも一生懸命言っていたので、
その場にいた他の先生もお腹をかかえて笑っていました。
そこで私の頭には大石さんは実は面白い人だな、とインプットされたのでした。

では大石さん、またろう者の視点で面白いビデオを作ってくださいね。
そんな大石さんにバトンを渡したいと思います。
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